現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「やはりEVを押し付けるのは…」 完全電動化を延期、メルセデス・ベンツ 2030年代までエンジン車販売へ

ここから本文です

「やはりEVを押し付けるのは…」 完全電動化を延期、メルセデス・ベンツ 2030年代までエンジン車販売へ

掲載 更新 135
「やはりEVを押し付けるのは…」 完全電動化を延期、メルセデス・ベンツ 2030年代までエンジン車販売へ

EV計画を後退、需要鈍化で 環境規制やコスト面の課題は

ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツAGは、2030年までに新車販売をすべてEV(電気自動車)するという計画を変更した。需要の変化に対応するため、「2030年代まで」内燃エンジン車の販売を継続するという。

【画像】背の低いスポーティEVも登場? メルセデス・ベンツの次世代EV【コンセプトCLAクラスを写真で見る】 全18枚

メルセデス・ベンツは2021年に、2030年までに「市場環境が許す限り」ラインナップをすべて電動化する計画を発表した。同時期に内燃エンジン車を廃止する予定だったが、その寿命を延長することになった。

同社のオラ・ケレニウスCEOは2月22日に行われた決算説明会で、「市場に製品を押し付けることで、人為的にこの目標を達成しようとするのは理にかなっていない」と語った。

また、2025年までに新車販売台数の50%をEVかPHEV(プラグインハイブリッド車)にするという計画も後退させ、「2020年代後半」には「最大50%」を目指すとした。

米金融グループのジェフリーズ社のアナリスト、フィリップ・フーショワ氏はこの決定について、「特に北米での導入の道のりが険しいことを考えると、現実的なものに見える」と述べている。

メルセデス・ベンツはEV需要の鈍化に見舞われており、2024年の販売台数に占める割合は19~21%で横ばいになると予測している。昨年は20%で、前年の16%から増加した。

ケレニウスCEOは「モビリティの背後にあるエネルギーインフラ全体を変えることは、非常に大きな課題です。この転換期には山も谷もあることを認識しなければなりません」と語り、新型のエンジン車の開発を続ける方針を示した

例えば、新型Eクラスに採用されているMRA2(モジュラー・リアドライブ・アーキテクチャー)プラットフォームは、改良を重ねれば2030年代まで利用できるという。

メルセデス・ベンツはまた、エンジン開発で提携する中国の吉利汽車(ジーリー)とともにハイブリッドに特化した4気筒エンジンを新規開発しており、2026年に発売予定だ。欧州の次期排ガス規制「ユーロ7」に対応する。

「さまざまなパワートレインのラインナップを揃え、(内燃エンジン車を)生産し続けるためのインフラはあります。2027年に登場するまったく新しいラインナップとともに、2030年代を迎えることができそうです」

しかし、フーショワ氏は、EVと内燃エンジン車の並行販売を続けることで「オペレーション上の複雑さが増す」と指摘する。同時に管理しなければならないパワートレインとプラットフォームが増え、コスト増につながるためだ。

ケレニウスCEOはEVのコスト削減のため、今後の市販車の一部に安価なリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを採用することを認めた。

「バッテリーEVの変動費が、これまでの内燃エンジン車を大幅に上回っていることは周知の事実であり、当面はその状態が続くでしょう」

中国メディアの報道によると、BYDからLFPバッテリーを調達する予定だという。

メルセデス・ベンツは、LFPバッテリーの採用、セルとモジュール設計の最適化、サプライヤーとの交渉により、「今後数年間」でバッテリーのコストを30%削減することを目指している。

こんな記事も読まれています

夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
グーネット
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
GQ JAPAN
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
日刊自動車新聞
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
@DIME
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
日刊自動車新聞
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
乗りものニュース
『フェルスタッペン×アロンソ』“最強タッグ”の可能性はあったのか? レッドブル重鎮マルコ「チームを良い方向に進めるのは難しかっただろう」
『フェルスタッペン×アロンソ』“最強タッグ”の可能性はあったのか? レッドブル重鎮マルコ「チームを良い方向に進めるのは難しかっただろう」
motorsport.com 日本版
[サウンド制御術・実践講座]「タイムアライメント」を使いこなせると、演奏を立体的に再現可能!
[サウンド制御術・実践講座]「タイムアライメント」を使いこなせると、演奏を立体的に再現可能!
レスポンス
【途中経過】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝1時間半時点
【途中経過】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝1時間半時点
AUTOSPORT web

みんなのコメント

135件
  • sik********
    白人って◯ーなのかな。完全EVなんて今の技術では無理なのが分からないのか、金儲けしか考えていないのか、未来を創造できないのか、世界のルールは白人が作ると思っているのか、いずれにしても今頃sdgsを言い出すのだから、江戸時代の日本人以下の考え方ですな。
  • yas********
    言い訳はほっといて、ベンツの車を買う人はこの無駄であったかもしれないEV開発コストを負担できるのだから素晴らしい。自分にはそんな無駄には払えん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

771.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

388.0638.0万円

中古車を検索
EQAの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

771.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

388.0638.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村